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IV−(3) パネルディスカッション(第1ラウンド外国人パネリスト発言要旨)

 

司会

今までの各パネリラーの話を聞いて、お二人の外人の方から感想を伺いたいと思います。

 

ユージン・ビガノフスキー(国際オンブズマン協会事務局長)

今までのお話はいずれも非常に感銘を受けたが、法律家であるパネリストの杉山さんが非常な熱意を持って取り組んでいた、という話には特に関心を持った。その中で問題提起されたものの一つに、オンブズマンが法律家である方がいいのか、あるいは法律家でなくてもいいのかという点であるが、それについて最初に申し上げたい。

本日、ゲストとして参加しておられるマレーシアの首相府苦情調査局長であるウン・カム・テウさんの話を私が聞いて理解したところによると、彼はおそらく法律家でない方がいいと言われるのではないかと思う。「法律家だと、どうも処理手続きにこだわりすぎる、非常にスローである」ということをきっと言われると思う。確かにそういった考え方にも一理あると思う。特に状況としては、道徳的な判断(moral judgment)を求めるような場合があるわけで、それはフォーマルというよりはインフォーマルな、また、仲裁型・模索型の解決であるというようなもので、そうしたものをオンブズマンから提供することになると思うわけである。それと対照的なのが、より厳格な法律の解釈といったものを要求される場合であって、それとはまた違うということだと思う。

しかし、それと同時に、オンブズマンにはもう一つの役割もあると思う。仲裁型あるいは道徳的な判断をするというよりは、フォーマルな調査に基づいて法律的な判断を必要とされる場合(役割)があるということである。これは私自身、弁護士(lawyer)でもあるので申し上げているわけである。

私はオンブズマンとして、自分の管轄権の中に、司法の領域に属する権限も与えられている。例えば、何らかの行政措置(administrative action)がとられる予定であるときに、自分の権限で45日間その執行(実行)を停止させるという旨を発することが可能である。また、証人を召喚する権限も有している。例えば、証人が召喚に応じないような場合には、逮捕状を請求することもできる。そして、こうした権限を実際に行使するということになれば、一方に確固とした法律があり、その法律で明確に限定されている規定と厳密に照らし合わせ、正確に判断しながら行使するということが要求される。オンブズマンにはこような権限があるわけである。

オンブズマンには、また、機能も付されている。オーストラリアの法制度(これは公法(public law)ということで申し上げているわけであるが)の下では、例えば、行政当局に何らかの誤った行使があった場合にも、裁判所がそれに対して賠償金(damage)を裁定して出すということは許されていない。その場合にオンブズマンの参加が可能になるわけである。オンブズマンがその件に関して何らかの金額による救済の勧告(recommendation)を出すことができるようになっている。勿論、そういうよう

 

 

 

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